吃音で悩む小児やその家族は多いものの、吃音の言語臨床を標榜している言語聴覚士は依然少数にとどまっています。
「吃音は治らない」「何を目指して臨床すればいいかわからない」「どう評価すればいいかわからない」「どのような助言や指導が適切なのかわからない」と理由はさまざまながら、「吃音臨床は難しい」と漠然と思い、手が出せないでいるのが現状ではないでしょうか。
吃音臨床はけっして難しいものではなく、基本的な吃音観さえしっかり持てば、誰にでもできるということを、39年間の臨床経験を基に皆さんにお伝えしたいと思います。
1回目は、吃音についての基礎知識の整理や近大病院で行っている言語臨床についてその概要をお伝えします。
<今後の予定>
小児期吃音の言語臨床2 ~小児期吃音の評価~
小児期吃音の言語臨床3 ~小児期吃音臨床の実際~
小児期吃音の言語臨床4 ~事例提示と吃音臨床におけるICF的視点~
1958年大阪府生まれ。
鹿児島大学で応用心理学(カウンセリング、エンカウンターグループなど)を学ぶ。
九州大学でさらに1年臨床心理学を学ぶ。
北九州市立障害福祉センターで心理判定員として勤務する中でSTに出会う。
国立身体障害者リハビリテーションセンター学院で養成を受け近畿大学病院に就職。
以来39年間、主に小児の言語臨床に従事。
前大阪府言語聴覚士会会長。
元日本言語聴覚士協会常任理事。
日本コミュニケーション障害学会副理事長。