初回評価で失語症と判断した次は、流暢性か非流暢性かの鑑別をします。その理由はアプローチが流暢性失語か非流暢性失語か、によって異なるためです。
今回は後者の非流暢性失語を取り上げます。
非流暢性の原因としては発動性低下や失文法もありますが、その多数を占める発語失行(失構音)を伴った失語症についてお話します。
一口に発語失行と言ってもその症状は様々であり、そこに失語症状が加わるとさらに症状を複雑にし、日々の臨床では介入に苦労しているのではないでしょうか。
発語失行そのものの捉え方や発語失行を伴った失語症への介入方法を中心にお話したいと思います。
津田塾大学、同大学院博士課程前期修了。
国立身体障害者リハビリテーションセンター学院聴能言語専門職員養成課程を卒業後、民間病院勤務を経て1990年~2020年大阪大学医学部附属病院リハビリテーション部にて臨床・教育・研究に従事。
その間に言語聴覚士が国家資格となり、1999年言語聴覚士免許取得。
臨床40年を経た現在、言語聴覚士の後進指導・育成に携わっている。