1 公開インタビュー(収録動画配信) 約15分×3人
2 講談・鈴木大介「組織の中で働くことの難しさについて」 約15分
3 事例検討会(リアルタイム) 60分
4 質疑応答 30分(※当日参加すると直接質問が可能)
失敗したら生活保護を受けるという覚悟でIT会社を設立した粂川さん。
軽度だということで障害手帳ももらえず、自営の仕事に戻った高木さん。
仕事の武器である言葉に回復感を持てないまでも文筆の世界で働けている鈴木さん。
高次脳機能障害の当事者は、受傷後、復職すること、そして組織の中で働くことの難しさがあります。では自営業、フリーランスはどうか。高次脳機能障害を負った今回の三人の当事者は、フリーランスでなかったら失職していたかもしれないという共通の感覚を持っています。そこからそれぞれの考え、生き方について、意見を交換します。また、その場で参加者からの質問にもお答えします。
粂川 博樹
2011年8月初頭の夜中、事務所で1人で仕事中に脳出血を発症。
半年間入院し、右半身片麻痺、失語症、高次脳機能障害の後遺症を残してリハビリ病院を退院。
当時経営していた会社を清算し、仕事がない日々を2年ほど経験した後、旧友の会社に就職。
しかし、1年で退職し、障害者の特権で失業手当を貰って1年間過ごす。
失業保険1年間の猶予が切れたあと、生活保護を覚悟して超零細IT会社を設立。仕事がなぜか順調に回ってしまい、設立後6年過ぎたが社員3名で未だに生活保護にお世話にならず、なぜか優良財務状況で健常な経営が続いている。
高木義昭
2018年12月下旬、車の運転中に軽い頭痛が始まる。帰宅してから、文字が全く読めなくなっていることに驚く。身体も動くし、自分では何が起きているか理解出来なかったが、異変に気付いた友人が救急車を手配。脳出血が判明。
失読・失書が主な障害で、他に軽度の遂行機能、社会的行動、注意等の障害を残し、2019年4月末退院。
「軽度」という事で障害者手帳は発給されず。2019年末、運転免許、復帰。
当時経営していた会社は継続。自身は、カメラマンとして仕事を継続。本人と店長(妻)、他にアルバイト2名の規模。他は専属外注のトリマーの合計約5名のサービス業。
フォトスタジオ、ドッグラン、ドッグカフェ、トリミング、ペットホテル等の犬に特化した複合店。
手帳もないので、一切の公的支援はないが、多くの不便を抱えながらも、無借金経営を継続中。
鈴木大介
女性や子ども、若者の貧困問題などを主なフィールドとするルポライターだったが、2015年、脳梗塞を発症し、高次脳機能障害の当事者に。これまで取材する側であった「生きづらさ」を抱えた人と同じ立場となったことで見えてきた世界について、情報発信をしている。病後の代表作は『脳が壊れた』『されど愛しきお妻様』『脳コワさん支援ガイド』(2020日本医学ジャーナリスト協会大賞受賞)など。
ファシリテータ:西村紀子
現状の医療・介護保険で取り残されている、生活の場に戻った高次脳機能障害や失語症のある方、そして家族の支援をしたいと考え、起業。
NPO法人Reジョブ大阪では、当事者や家族の集いや相談、講演や出版などの啓発活動、(株)くるみの森では、オンライン言語リハを行っている。