高次脳機能障害はその症状が見えにくいだけでなく、当事者のこころに生じた変化も見えにくい障害です。
ご家族にとっては、事故や病気を契機に、それまでと変わってしまった当事者の言動に戸惑い、対応に困難を感じることも少なくありません。
また、ご家族は、当事者の収入がなくなる・減る、新たな社会参加先を探すことや、家族間の人間関係の変化に悩まれることも少なくないと思います。
今回は、高次脳機能障害のご家族に起こりやすいことをお話しするとともに、ご家族に対する支援の必要性やそのあり方についてお伝えしたいと思います。
山口加代子 先生
公認心理師・臨床心理士。
日本高次脳機能障害友の会顧問・リハビリテーション心理職会顧問。
東京リハビリテーションセンター世田谷・川崎市南部リハビリテーションセンター在宅支援室・川崎市南部療育センターアドバイザー
横浜市中央児童相談所の心理判定員として入職後,市内保健所の心理相談員を経て,横浜市リハビリテーション事業団に臨床心理士として勤務。小児期から成人期の発達障害,高次脳機能障害の当事者とご家族の支援に関わる。
主な著書:
『高次脳機能障害を生きるー当事者・家族・専門職の語り:夫と妻の心の旅』(ミネルヴァ書房)
『病気のひとのこころー医療のなかでの心理学:脳にダメージを受けた方たちのこころとその援助』(誠信書房)
『脳の働きに障害を持つ人の理解と支援:高次脳機能障害の当事者』(誠信書房)
『不自由な脳:高次脳機能当事者に必要な支援』(鈴木大介氏と共著,金剛出版)
『不自由な脳は続く:高次脳機能障害に対する支援再考』(鈴木大介氏と共著,金剛出版)
『臨床神経心理学【神経・生理心理学】第2版』(共編著,医歯薬出版株式会社)
『最新リハビリテーション基礎講座 臨床心理学』(共編著,医歯薬出版株式会社)